元塾講師が語る、国語(現代文)の勉強方法
現代文は多くの受験生にとって対策しにくい科目かと思います。
テクニックを紹介している現代文の参考書はありますが、他の参考書を見たら別のテクニックの紹介があるため、共通解が見つけにくく、結果として勉強方法が分からないという状態に陥る学生が多いのではないでしょうか?
元大手の塾講師及び多くの生徒を指導してきた家庭教師として、現代文をどのように勉強したら、成績が向上するかを伝えていきたいと思います。
現代文に必要な力とは?
まずは現代文に必要な力を考えましょう。まずは問題文の着手から解答に至るまで何をしているかをまずは考えてみましょう。
- 本文を読む
- 問題を見る
- 解答の素材を本文から見つける
- 解答の素材をもとに、解答を作成する
1と2が入れ子になる場合もありますが、基本的には上記の流れになると思います。
それでは各々について何の力を使っているかを分析してみましょう。
1では大前提として本文を読める必要があるため、語彙と文法の知識は必要です。文法に関しては必要ないと判断する方もいますが、例えば助動詞の「れる・られる」の受身・自発・可能・尊敬はどのように使い分けるのかを文法的に知っていれば、文を読んだ際に、どの意味かを即断できるようになります。つまり速読に繋がります。また接続詞などの理解があると接続詞の後が想定できるなど、次に説明する構造把握力でも役に立つため、是非とも文法を疎かにしないでください。
また1では3の解答の素材が本文のどこにあるか目星を付けやすくするために本文の構造把握力が必要となります。分かりやすく言うと意味段落ごとに何を言っているかを把握する力が必要です。この構造把握力があれば、解答の素材がどこにある可能性があるか、検討がつきます。
例えば構造把握により整理した文と問題文が以下であった場合、
意味段落①:大皿を割った(課題)
意味段落②:大皿を片手で持っていたため、落としやすい状況だった(原因分析)
意味段落③:大皿を両手で持つようにした(打ち手)
問題:兄はなぜ大皿を落としてしまったのですか?
上記の問題をみると原因について聞いている問題のため、意味段落②に解答の素材が存在することが一瞬で分かりますよね。このように本文を構造化し、整理すると解答の素材がどこにかるか目星がつくのです。
そして4の「解答の素材をもとに、解答を作成する」では記述式の問題の場合、文章作成力が必要となります。よって現代文では以下4つの力が必要となります。
- 語彙力
- 文法力
- 構造把握力
- 文章作成力
語彙・文法力を養う方法
語彙については間接的な勉強となりますが、漢字の勉強で問題ないです。学校指定の漢字の問題集や漢検の問題などで構わないです。
現代文の文法は各品詞や敬語などがまとまってる問題集を使用してください。
オススメは「中学/国文法まとめノート」です。「中学」となっていますが、体系的にまとめられているため、高校生にとっても十分役に立ちます。
構造把握力を養う方法
伝わりやすい文は特徴があります。例を挙げると以下のような特徴があります。
- 時系列
- 課題→原因分析→打ち手
大皿を割り、母親に叱られた。重い大皿を片手で持ったことが災いしたため、今度から重いものは両手で持つようにしよう。
上記の他にも文の書き方には特徴があります。上記のような特徴を理解しておくと構造把握が容易になります。 これらの特徴を知るためには、実際に原稿や小論文を書き、周りの先生に評価してもらうと良いです。書いていくうちにどのように書くと伝わりやすいかが分かり、文の特徴が理解できるようになります。
要約は構造把握力がないとできないため、小論文等で構造把握力を磨いたら要約に挑戦してみるのも良いかと思います。
文章作成力を養う方法
こちらも文の特徴を知ることが必要なため、小論文は有効な方法です。どのように書いたら分かりやすく伝えられるかを考えながら、小論文を解いてください。
構造把握力と同様となりますが、要約も有効です。字数制限がある問題もあるため、どのように書けばシンプルにまとめられるかを考えながら要約をしましょう。題材は教科書の本文や市販の問題の本文などでもOKです。
まとめ
私の現代文の勉強方法を記載しましたが、いかがでしたでしょうか?
皆さんの現代文の勉強方法の一つの道しるべと見て頂けますと幸いです。
気になる点や不明点は、遠慮なく問い合わせ画面よりお問い合わせください。
最後まで読んで頂きありがとうございます。